46歳。
私は今、ENS186という永住権制度を使ってオーストラリア永住権の取得を目指している。
- なぜ永住権取得を考えるようになったのか?
- 何が問題か?
- 英語資格はどうか?
- 費用はいくらか?
今日はその話を書いてみたいと思う。
永住権を目指す理由
そもそも永住権に興味はなかった。
若かりし頃ニュージーランドで働き、海外駐在員としてシンガポールで働き、東京勤務を経て、オーストラリアにやってきた。
駐在員という働き方は基本的に期間限定。数年ごとに国を移る。間に日本を挟むケースが多い。帰任もあるし、再赴任もある。
確かにそんな感じの人生だった。
「駐在は会社員人生のボーナスタイム!」くらいにしか考えていなかった。
永住権なんて遠い世界の話。ワーホリの人や現地採用の人たちが頑張って取得するものだと思っていた。
でも、現地採用になって考え方が変わった
転機になったのは現地採用への転職だった。
日本本社の人事異動ではなく、自分たち家族の意思でオーストラリアに残ることを選んだ。
すると不思議な感覚が目を覚ます。
「どこで働くか」
よりも
「どこで暮らすか」
を真剣に考えるようになる。
仕事は変わる。会社も変わる。でも生活の基盤は簡単には変えられない。
そして気付いた。
子供たちは確実にオーストラリアに馴染んでいる
私の仕事の都合で何度も引っ越しを経験してきた我が家。
正直、妻に対しても子供たちに対しても申し訳ない気持ちがある。
でも最近思う。
子供たちは親が思っている以上にたくましい。英語で友達を作り、色々な国籍の子供たちと当たり前のように遊んでいる。「Hey Bro !」とか言ってる。
自分が子供の頃には考えられなかった世界がそこにある。
自分の会社人生も残り半分を切った
気が付けば46歳。
まだ若いと思いたい。
しかし冷静に考えると、もう会社員人生の後半戦である…。
折り返し地点はとうに過ぎた。
20代や30代の頃は、昇進、異動、転職、年収、そんなことばかり考えていた。
でも今は違う。
もちろん仕事は大切。でもそれ以上に、「家族とどこで暮らしたいか」の優先順位が上がってきた。
これまでの人生で、日本、ニュージーランド、シンガポール、オーストラリア、いろいろな国で暮らしてきた。その上で、今の自分たち家族にはオーストラリアが合っていると思っている。
永住権はゴールではない
誤解のないように言う。
私はオーストラリア人になりたいわけではない。まだ「VEGEMITE」も好きになれない。そう、日本人であることに変わりはないし、いつか日本で暮らす可能性もある。
だから永住権そのものが目的ではない。
永住権は手段だ。将来の選択肢を増やすための手段。
子供たちのための。
そして自分たち夫婦の老後のための。
もちろん簡単な道ではない。英語試験も必要。移民制度もどんどん厳しくなっている。でも挑戦することにした。
だって面白そうじゃん。
186ビザ
今回は数ある永住権へのルートの中から、なぜ私が186ビザを選んだのかについて書いてみたい。
現在、私は482ビザでオーストラリアの会社に勤務している。そして、今の会社でこれまで積み上げてきたキャリアがある。
であれば、永住権を取るために新しい会社や別のルートを探すよりも、「今の会社でこれまでやってきた仕事を、そのまま永住権につなげる」という選択が最も自然。
それが、雇用主のスポンサーによって申請する186ビザである。
私の場合、現在の雇用主がスポンサーになる意思を示してくれたことも大きなポイント。自分一人で永住権への道を探すのではなく、これまで仕事で築いてきた信頼関係を、そのまま次のステップにつなげられる。
これが186ビザを選んだ最大の理由。
ただし、私の場合、一つ大きな問題があった。
年齢である。
186ビザには原則として年齢要件がある。
「45歳未満」
私は46歳…。
OMG、ちょっとだけ超えてる(涙)
しかし、一定の条件を満たせば年齢要件が免除されるケースが存在する。
私の場合は、これまでの職務経験や現在のポジションに加え、市場水準を上回る給与水準で働いていたことなどから、年齢要件の免除に該当する可能性があったのだ。
詳しく話すと、186 TRT(Temporary Residence Transition) は45歳以上でも、
- 482ビザ/457ビザ保持者として
- 186ビザ申請直前3年間のうち少なくとも2年間、対象となるスポンサー雇用で勤務し
- その各年の収入がFair Work High Income Threshold以上であれば
年齢要件の免除対象になる可能性がある。ここが私にとって大きなポイントだった。
「46歳だから186は無理」と最初から諦めるのではなく、「自分は免除要件に該当するのか?」を弁護士に確認し、可能性があることが分かったのだ。
もちろん、年齢要件の免除は誰でも利用できるわけではないが興味があれば、職歴や給与、ビザ、雇用状況などを含めて、弁護士に確認することをおすすめしたい。
186ビザなら現在の雇用主との関係をベースに申請できる。私にとっては、キャリアを壊さずに、次のステージへ進める可能性がある最適なルートだった。
会社からのスポンサーという意味
186ビザのもう一つの特徴は、雇用主の存在。
これはメリットである一方、会社との関係が重要になるという意味でもある。
つまり、「自分が永住権を取りたい」だけでは進まない。会社側にもスポンサーとして動いてもらう必要がある。私の場合、会社からサポートを得られる環境だったことが大きい。これまで仕事で積み上げてきたものが、ここで意味を持ってくる。
海外で働く場合、結局のところ、ビザもキャリアも「その会社でどれだけ必要とされているか」と無関係ではない。
これは今回の186ビザ挑戦を通じて改めて感じたことである。
186ビザは「キャリアの延長線上」にある
私は海外で働くために、ゼロからキャリアを作り直しているわけではない。これまでの海外勤務経験、日本でのキャリア、現在のオーストラリアでの仕事。
その延長線上に186ビザがある。
だから特別なことをしている感覚は少なかったりする。
むしろ、「ここまでやってきた仕事を、次のステージにつなげる」という感覚に近い。
もちろんビザ申請が無事に進む保証はない。ビザ制度も頻繁に変わる。(マジでえげつない程に変わる…)
それでも46歳の私にとって186ビザは現時点で最も現実的で、自分のキャリアに合ったルートだと判断した。
46歳からの186ビザ挑戦。
果たして、この選択は正しかったのか。
その答えは、これからである。
46歳でPTEを受験。IELTS 6.5|TOEIC 865でも苦戦
46歳、久しぶりに英語の試験を受けた。
永住権の申請に必要だからだ。
受験したのはオーストラリアで広く使われている PTE Academicで、Listening [47]、Reading [48]、Speaking [54]、Writing [51] の4技能を測定する試験。 カッコ内の数字が、2026年時点で永住権(186ビザ)申請に必要となるスコアだ。
これまで私は、
IELTS 6.5(20代で受験)
TOEIC 865(30代で受験)
NZとシンガポールで合計5年勤務
という経験があり、「英語が全くできない」という状態ではない。むしろ、これまで海外で仕事をしてきた経験を考えると、PTE academicもそれほど苦労しないだろうと余裕をぶちかましていた。
ところが3ヵ月くらい勉強して模擬試験を受けてみると、思いのほか苦戦(汗)
その結果がこれ。
スコアとして54が必要なSpeakingが最低の46…。オーマイガー!
焦る(汗)
なぜ、これほど低いスコア…。
これはマズイということで、ここから本気で、特にSpeakingの集中トレーニングを行い、3週間後に受験したPTE academic本番テストの結果がこれ。
セーフ!!(まじ安堵)
Listening [47] 模試 50 → 本番 55 (+5)
Reading [48] 模試 63 → 本番 66 (+3)
Speaking [54] 模試 46 → 本番 56 (+10)
Writing [51] 模試 58 → 本番 61 (+3)
※ [ ]内が必要スコア
ちなみに公式スコア換算表によると、PTE academicのOverall Score 60は、IELTSのOverall Band 6.5と同等。
私が感じたPTE academicという試験のコツ
「英語を使って仕事ができること」と「PTE academicで高いスコアを取ること」は、かなり違う。
PTE academicは、かなり “クセ強” な試験である。
つまり、その試験の「型」に慣れるかどうかがポイントで、逆に言えば「型」に慣れてしまえば、IELTSより簡単かもしれない。それに、①試験会場が多い、②毎日試験が実施される、③結果が3日くらいで届く等のメリットを享受できる。
一番苦戦したのがSpeakingの「Repeat Sentence」
私が最も苦手だと感じたのがSpeakingテスト内の「Repeat Sentence」というやつ。
流れてくる英文を聞いて、それをできるだけ正確に繰り返す。一見すると「聞いて、そのまま言えばいいだけ」の超単純テスト。
しかし、奥が深い。
英文を聞いている間に、「最初の部分は覚えているけど、後半が怪しい」またはその逆。
さらに、思い出そうとしている間に、発音や流暢さも崩れていく。
つまり、Listening → 記憶 → 理解 → 発話をほぼ同時に処理する必要がある。これは普段の仕事で英語を使っているときとはかなり違う。
では、模試で惨敗の後どんなトレーニングをしたか?
- まずは、シャドウイング。とにかくListeningとSpeakingを連動させ、口の動きを慣れさせる
- 次に、PTE academicアプリでとにかく数をこなす。(私が使ったのは「APEUni」の有料版でAUD24.95/月)
PTE academicのスコアが低い場合、それは英語力が低いのではなく「試験で要求される能力」が違う
私自身が一番考えさせられたのはこれ。「PTE academicで苦戦する = 英語力が不足」と考えがち。
しかし、実際に模試や本番試験を受けてみると「英語力そのもの」と「PTE academicで求められるスキル」は別物であるということに気づく。特にSpeakingテスト。
英語を「理解する能力」と、英語を「聞いた瞬間に保持して再現する能力」は別物。
どんなクセ強テストなのか、それを肌で感じるために、まずは模試試験(AUD50くらい)を受験することをおすすめしたい。
46歳でPTE academic受験。他の受験者はみな若者。永住権取得という目的がなければ、おそらくこのタイミングでこの英語試験を受けることもなかった。
でも、英語と向き合うよい機会となったことは間違いない。
これからもオーストラリアで働いていくので、もう一度まじめに英語と向き合ってみようと思う。46歳からの学習で自分の英語力をどこまで伸ばせるか。楽しみである。
186ビザ申請にかかった費用|家族4人で永住権を目指すリアルな金額
オーストラリアの186ビザを申請するにあたり、気になることの一つが費用。
ビザ申請料だけで済むわけではない。配偶者や子どもの申請料、移民弁護士への報酬なども必要になる。今回、私が家族4人で186ビザを申請するにあたり、実際にかかる費用を整理してみた。
結論から言うと、見積書上の総額は23,000豪ドル。(内、自己負担は17,460豪ドル)
決して安い金額ではない。
186ビザ申請にかかる費用の総額
今回の費用は、私、配偶者、子ども2人の家族4人で申請するケース。
会社負担 SAF Levy(会社負担金):$5,000
自己負担 主申請者のビザ申請料:$6,140
自己負担 配偶者のビザ申請料:$3,070
自己負担 子ども2人のビザ申請料:$3,070
自己負担 移民弁護士費用・GST込:$5,180
合計:$23,000
ここで注意したいのは、会社がスポンサーになる場合でも、すべての費用を会社が負担するとは限らないということ。ただし、NominationやSAF Levyなど、会社が負担すべきスポンサー関連費用を申請者に転嫁することは認められていない。この2つの項目は会社に支払義務がある。
移民弁護士への報酬は5,180豪ドル。これは手続き全体を専門家に依頼するための費用。
自分で申請すれば弁護士費用は不要だが、186ビザ申請においては雇用主側のNomination、本人のビザ要件、家族の書類など、確認すべき事項が多数あり非常に複雑なので、専門家に依頼することを強くおすすめしたい。
今後、追加で発生する可能性がある費用
- 配偶者が英語要件を満たせない場合の追加費用。:Functional Englishを証明できない場合(つまりIELTSやPTE Academicで必要スコアと取得できない場合)、4,890豪ドルの支払が必要となる。ちなみに我が家では妻が必要英語スコアを取得し、この費用は発生せず。
- 上記以外にも、健康診断、警察証明書、翻訳など細々した費用が別途発生する。
無論、これらの費用を払えば永住権が保証されるわけではない。
まとめ
移民排除の動きが強まる最近のオーストラリア。186ビザの申請が完了しても、その審査開始まで1年以上かかる状況らしい(汗)
永住権獲得までの道のりは、思っている以上に長いのかもしれない…。
繰り返しになるが、永住権そのものが目的ではない。永住権は手段だ。将来の選択肢を増やすための手段。子供たちのための。そして自分たち夫婦の老後のための。
この記事が、「もう遅いかもしれない」と思いながらも挑戦したい誰かの参考にはなれば嬉しく思う。
46歳。
永住権取得に向けたスタートは遅い。
でも人生はまだまだ続く。
とりあえずやってみよう。
40代の海外転職 | 知っておきたい2社
本日はここまで。
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