久しぶりに記事を書きます。
ここ1年くらいは仕事やプライベートが忙しく、ゆっくりPCに向かってブログを書く時間がありませんでした。なぜなら駐在員としてオーストラリアにやってきたのに、現地で転職して現地採用となり、州を跨いでの引越しをしたりでバチクソ忙しかったからです。忙しすぎて死ぬかと思いましたが、めっちゃ元気です。
海外就職や海外移住に興味のある人、オーストラリアで働きたい人、駐在員として働いているけど現地採用への切替を検討している人などに、今回の記事がお役に立てれば幸いです。
現地採用を選んだワケ
海外駐在員としてオーストラリアで働いていた私が、なぜ転職して現地採用という形態で働くことになったのか、まずはその経緯をお伝えします。
やりがいのある仕事
以前働いていた日系企業の現地法人の社長さんからオファーを頂いたのが全ての始まり。といっても急にオファーを受けたわけではなく、最初は家族を交えて食事をしたときにその現地法人が抱えている問題を相談された程度。直感的に対応策はイメージでき、構造改革を進めることはやりがいのある仕事だとも感じました。しかし駐在員として赴任して1年にも満たない時期だったということもあり、一旦はやんわりとスルーしました。(下記内容を検討し最終的にはオファーを受けることに)
次の赴任国/子供の成長
当時駐在員として働いていた会社の人事面談で、帰任後の話がチラッとでました。就労ビザが4年間であることを考えると任期は3年間くらいが妥当で、その後は①東京本社の海外事業部に戻るか、②欧州の子会社へスライド赴任するかで、やや②欧州赴任が濃厚な印象でした。
ふと思ったのは、「3年後、娘は中学生か…」
以前シンガポールに駐在していましたが娘はまだ幼稚園児、息子に至ってはシンガポール生まれ。正直どんだけ親の仕事の都合で振り回しても、何とでもなる年齢でした。(あまり言うと娘に怒られそう…)
しかし、中学生ともなれば話は別。何度もお友達とバイバイするのは辛いはず。そろそろ「パパ単身赴任で行ってきな」といわれる可能性も…。ガクブル。
家族のことを考えると、海外赴任を繰り返すような働き方は今後キビシイと思い始めました。
オーストラリアという国
もう一つ、任期のない現地採用としてこの国で長く暮らしたいと思ったのは、オーストラリアの環境が自分たちのライフスタイルに合っていると感じたから。
- 国民:ゆったりでフレンドリー、移民が多く多様性に富む。
- 気候:温暖で湿度が低い(夏も冬もマイルド)
- 環境:街中でも緑が多く、シドニーはビーチが美しい。食事も多種多様。
- 仕事:プライベート重視で残業は基本ない
- 教育:のびのび育てるが、大学レベルは日本より高い(高校でスイッチON?)
日本の政治不信
日本の社会保障制度にも政治家の言動にも不信感しかありません。1ミリも信じられません。どんどん制度を複雑化して国民をはぐらかしているようにも見えます。今話題の「103万円の壁」の議論も然り。日本国民の内、どのくらいの割合の人が日本の社会保障制度を正確に理解しているのでしょうか?
現地採用として働くメリットとデメリット
(海外駐在と比較して)現地採用で働くメリットとデメリットを整理します。結論を簡単に言うとメリットは自由度、デメリットは待遇面。
現地採用のメリット
自分で自分の人生をコントロールできる感覚。
任期なし
急な帰任発令とか出ない。もうこれが全て。帰任発令で充実した海外生活は全て終わります。子供の学校事情なんて関係なし。(シンガポールから帰任するときも「なぜこのタイミング⁉」と納得いかなかったな…)
現地採用となることで、会社の人事パズルに翻弄される人生から解放されます。じっくりとその国に根を張り生活基盤を安定させ、人生設計を進められます。※現在は就労ビザで働いていますが近いうちに永住権を申請予定(いつか日本に帰りますが子供の教育&医療コスト面でメリットが大きいため永住権を取っておきます)
ワークライフバランス
どの国に行っても日本より良好だと思いますが、オーストラリアももれなく良好。海外に出なければ日本の恒常的な残業や飲み会の異常さに気づかないかもしれませんが、あれは異常です。マジ異常。仕事が終わればさっさと帰宅して家族と夕食の時間を一緒に過ごすべきです。
現地の確定拠出年金制度
オーストラリアには「スーパーアニュエーション」という世界に誇る確定拠出年金制度があります。老後のために積み立てていく自分専用の年金で、給料額の 11.5%(※)を給料に上乗せで、会社が従業員が加入しているスーパーアニュエーション口座(年金口座)に支払うことが義務付けられています。会社と従業員で折半なんてセコイ仕組みではなく会社が全額負担します。しかも年金口座に入る金額は自分が選んだファンドで運用されるという仕組み。非常に分かりやすく思い切りのよい制度。日本政府はこの「わかりやすさ」を見習うべきです。※2025年に12%に引き上げ
現地採用のデメリット
さて、次は現地採用のデメリットですが、基本的に待遇面は落ちます。どこまで妥協できるかが勝負。
就労ビザ
駐在員の場合、会社が諸々の手続きをしてくれるのであまり意識しなくてよいのですが、現地採用でのビザは生活基盤の大前提です。
多くの国で就労ビザには最低賃金の要件が設定されており、駐在員は家賃補助を給料の一部とすることでこの要件をクリアしているケースが多いのですが、現地採用で純粋な給与額でのガチ勝負となります。よって給与交渉は重要!
給料・家賃補助・一時帰国費用
駐在員と現地採用の給与体系は全くの別物。そもそもベースとなる人材マーケット(日本 vs 外国)が異なるので比較すること自体に無理があります。駐在員の給与パッケージは異様に好待遇で、現地採用に切替わると基本的にはそれを失うと考えるべき。もちろん家賃補助や一時帰国費用も現地採用にはありませんので、待遇面ではシンプルに年俸交渉になります。※上記ビザ要件に影響します
しかし海外駐在員の給与パッケージはある種の期間限定パッケージ。つまり駐在期間は会社員人生のボーナスタイムなので永続性がありません。よって瞬間的な比較は意味がなく、長いスパンでの収支を比較すべきです。
現地の健康保険・病院
駐在員が保有する何でもカバーしてくれる海外医療保険は、現地採用にはありません。各国のローカル保険制度に加入するので基本医者もローカルです。どうしても日本人医師に診てもらいたいときは自腹で何十万円も支払うことになります。※我が家は民間の医療保険に入っていますが歯科治療は対象外。なので我が家の歯磨き習慣は完璧!息子がやや足を引っぱる…
日本の社会保障制度の恩恵なし
複雑で分かりづらいとは言え、駐在員は日本側で会社が社会保険料を継続的に支払っていますので、一時帰国の際に3割負担で病院や歯科医院に行けます。年金も納付されていますので老後の受給額にも影響しません。(そもそも今の現役世代が将来もらえる水準自体が不安ですが…)
現地採用は自腹で支払うか、切り捨てるかです。私は切り捨てました。もともと日本の年金制度に期待することは危険だと考えていたので。金額は減りますが年金受給権はあります。(非国民と言われそうですが、ただの政治不信です)
苦悩
現地採用のメリットがデメリットを上回ると考えたので行動に移したわけですが、それでも多くの苦悩がありました。これは全ての方に当てはまるわけではありませんが、ご参考まで。
仕事の苦悩
円満退社できるか?
海外駐在1年弱で転職するわけですから前の会社には迷惑をかけてしまいました。お世話になった会社に極力迷惑をかけず円満退社できるのか、私なりに神経をすり減らしながらとにかく仕事をこなしたのは今となっては良い思い出。私の決断を尊重してくれた前の会社の皆さんには感謝しかありません。ありがたいことに今でも交流は続いています。
転職先での待遇面の交渉
現地採用後にどうやって生活を維持できるのか、仕事以上に真剣にシミュレーションしました。(←怒られろw)
駐在と比べ相対的に待遇が落ちるのは仕方なく、どの水準で食い止められるかが勝負。今回の私のケースはヘッドハンティング的にオファーを受けたこともあって大幅に配慮してもらったので大きく生活水準を落とすことなく家族で暮らせていけそうです。感謝。
家庭の苦悩
私の仕事の苦悩なんて何とでもなるのです。問題はこっち。家族の苦悩。※ここを強調しなければ妻にシバカレマス…
子供たちは友達にバイバイ
駐在員として赴任したメルボルンで子供たちには多くの友達ができました。補習校で出会った日本人や現地小学校で出会ったオージー。慣れない海外生活で笑いながら遊べる友達がたくさんできたのは幸運なことでした。なのに親の仕事でシドニーに移住するためバイバイ…。本当に申し訳と思いました。
子供の学力
何だかんだ言って日本の教育水準は高いです。特に数学や理科などの理系科目。オーストラリアでは自由にのびのびと学んでいくので、気を抜くとどんどん学力が低下します。特に7歳の息子の日本語(国語)は不安。親として教えていくしかないです。ちなみに我が家では妻が国語担当で、私が数学担当。
妻は休職から退職へ
3年間の休職期限を超えてオーストラリアに住むことが確定した段階で、妻は退職することを決めました。彼女が築いてきたキャリアを途切れてしまうことに対しては色々と思うところはあったと思います。ある種の後ろ盾を失ったことになり、私はより一層の責任を感じました。(ここは是非強調させてください)
日本の両親
私の両親も妻の両親も今のところ元気ですが、いつどうなるか分かりません。幸いなことにお互い兄弟姉妹が地元にいるため何かあればすぐに対応してもらえますが、シドニーから駆け付けるにはそれなりに時間がかかります。この問題は年々重要度を増していくでしょう。やはり「どこでもドア」が必要です。
希望
苦悩について書いたので次は「希望」について。メリット・デメリットと同様に今回希望が苦悩を上回りました。決断前の家族会議ではこの希望を水増しして妻にプレゼンしたことは言うまでもありません。
子供の未来
自分たちが歩んできた受験戦争の道は無意味。まじ無意味。子供たちには学びたいことをのびのびと学んでほしい。オーストラリアの小学生・中学生を見ていると「学校に遊びにいってるの?」と思うほど緩い。でも大学レベルは日本より上。高校から大学にかけてどんな変化が起こるのか興味津々です。きっと受験のための勉強ではなく、本当にやりたいことを学び始めるのだと思います。
オーストラリアで暮らせば英語力と多様性の感覚は、自然にに身につくでしょう。オージーや移民の中で学ぶのだから当たり前ですね。よって大学はどの国の大学を目指してもOK。日本の大学にこだわる必要はもう皆無。すでに選択肢の幅が広がっています。(これが私から子供への最大のギフト)
夫婦の老後
子供たちだけでなく、私たち夫婦の老後にも希望がもてます。まず外せないのはお金の問題。前段でふれたように日本の年金制度には期待できません。今もらっているシニア世代はよいかもしれませんが、20年後に十分な財源は日本政府にはないでしょう。今のうちにオーストラリアの最強スーパーアニュエーションで将来に備え、それを携えていつか帰国します。それができる制度です。
まとめ
海外駐在からの転職&現地採用はそこそこ勇気いる決断でしたが、後悔はありません。
家族には負担をかけました…。ついてきてくれて本当に感謝です!
シドニーでの生活、特に子供たちが現地校に慣れるまでは時間がかかるでしょう。まだ英語も完ぺきではないので結構な試練だと思います。でもここを乗り越えればバイリンガルとして将来の選択肢が広がるはず。頑張れ!パパも頑張る!
今回の記事で現地採用で働くことのメリット・デメリットをお伝えしましたが、結局はあなたが「どういった人生を歩みたいか?」を明確にすることが大切ですね。
私と家族は海外移住を決断しました。その選択を可能にする要素の一つは間違いなくこれまで鍛えてきた「英語力」です。
何度もこの「moric blog」内でお伝えしてきましたが、英語は人生の選択肢を増やしてくれます。
今からでも遅くはないので、ぜひ英語力(特に仕事につかえるレベルの英会話力)を鍛えてください。今キャリア形成で悩んでいる方も英語力を高めることで乗り越えられるかもしれません。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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