- 海外駐在員を目指す正しいアプローチ
- 海外赴任するために今やるべきこと
- 必要となる英語力やTOEICスコア
「 海外駐在すると手取りが2倍になる!?」
そうなんです。海外駐在員は国内勤務時と比べ、額面給与は1.5倍くらい、手取り額は税金費用のメリット含め2倍くらいに膨れ上がります。その上、現地での住宅コストも会社負担。※もちろん会社によりますが…
メリットはお給料だけではありません。
海外駐在員を目指さない理由が、私には見つけられませんっ。
海外で仕事をするパターンには様々な形態がありますが、私がオススメするのは海外駐在員。
私は海外駐在員として4年間シンガポールで働き、本当にメリットが多いと感じました。
今回は「海外駐在員になるには、どうすればいいか?」について実体験をベースにまとめました。
また海外駐在を目指す上でやってはいけない「NG行動」についても解説します。
海外駐在員になる方法は2つ
1.新卒で日系大手グローバル企業へ就職
2.日系企業のグローバル求人へ応募し転職
この2つは性質や難易度が異なりますが、私がおすすめするのは圧倒的に「2.日系企業のグローバル求人へ応募し転職」です。
最短距離で海外駐在したい場合、既に社会人として働いている方が有利。
逆に言うと、まだ社会人経験のない学生がすぐに海外駐在員として海外で働くのは正直難しいです。
しかし、チャンスが全くないわけではないので、まずは「1.新卒で日系大手グローバル企業へ就職」から見ていきましょう。
新卒で日系大手グローバル企業へ就職
最大の問題は「配属」次第という現実。
もちろん、いずれ部署間の異動もありますし、大手企業の場合は海外事業をやっている部署に手を挙げることもできます。社内公募制度を利用できるケースもあります。
しかし、そういった異動も何年後になるか分かりませんし、企業によっては一度配属された部署に何十年も縛られるケースもあります。
反対に、入社してすぐに海外事業部などに配属されれば、当然ながら海外赴任の可能性は高まります。
これが新入社員がすぐに海外駐在員として海外で働くのが難しいと考える理由です。
こういった状況を前提にそれでも出来る限り最短での海外勤務に寄せる方法は、大半の社員が海外にいっているような企業に入社することです。
具体的には総合商社や貿易関連企業。
総合職で入社した人全員を一度は海外に送り込むようなカルチャーがある企業。
こういった企業に入社できれば高い確率で早期に海外駐在を実現することができますが、一方で入社するまでの競争は激しくなります。
日系企業のグローバル求人へ応募し転職
転職市場では、部署やポジションごとに求人情報が出ているのが一般的。
これは非常に重要。
私の1年前の転職は、まさにこのパターン。しかも1〜2年後には海外赴任することが前提の求人でしたので、自分なりの理想とするキャリアパスに一気に近づけることができました。
海外赴任するまでのスタンバイ期間は東京本社の海外事業部に勤務。
中途採用だから簡単に海外駐在を実現できるというわけではなく、それなりの準備や戦略が必要になります。そのため転職活動を始める前に、英語力を高めておくのはもちろんで、転職先の業界動向や、そこで役立ちそうなスキルを磨いておく必要が大切。
私は今、転職してちょうど1年経ちました。
40代での転職(しかも異業種×異職種の越境転職)で苦労が絶えません…。
既に社会人の場合、必然的に「2.日系企業のグローバル求人へ応募し転職」を選択することになりますので、転職を意識したキャリア形成が今の会社で必要。
会計や経理の知識は海外駐在時に役立ちます。本社への各種レポート時に事業の実態をちゃんと数字で語れることは、あなたの信頼性を向上させます。損益だけでなく、バランスシートやキャッシュフローとリンクさせて、事業全体を把握することは、海外事業会社の経営をサポートする駐在員としては重要なこと。
規模の小さき海外事業会社に駐在する場合、守備範囲が広くなり会社全体を把握できる能力が必要。
その他
上記の2パターンとは別に、穴場的な方法として「海外事業を展開しているベンチャー企業へ新卒または中途で入社」というのもあります。
前述した大手日系グローバル企業と違い、スタートアップやベンチャーの場合、年齢的な縛りは薄く、実力があるとみなされれば、どんどんチャンスを掴みやすいです。経営者の一存で決まるので。
しかし逆の見方をすると、経営者の一存で、海外事業から撤退することも考えられます。
安定感に欠けるのです、ベンチャーですから。
以上が海外駐在を目指す方法ですが、海外駐在員になりたい人が最もやってはいけないアプローチもあります。
それは、
外資系企業といえば響きは良くグローバルな印象ですが、所詮は世界中の数ある支社の一つ。
外資系の場合、最も権力を持っているのは「本国」。本国が司令塔として多くの決定権を持ち、言い方は悪いですが、各国の法人や支社は手足となって働くことが、その役目です。
ですから、よほど優秀な人材出ない限り、支社から本国へ駐在したり、支社から別の支社に異動することはありません。
よって海外駐在したいなら、この選択肢はなし。
海外駐在員になるために、今から始めるべきこと
正しい行動を取っておけば、海外駐在の実現可能性が高まります。
1.英語学習(TOEICと英会話)
2.今の会社でしっかりと実績を残す
3.転職エージェント・転職サイトに登録し情報収集
英語学習(TOEICと英会話)
まずは英語について。
「海外駐在員になるためにはTOEICは何点必要なのか?」という質問はよく目にします。
赴任先での実務や、そもそも海外駐在員に選抜されるためにどのくらいスコアを取得しておく必要があるのでしょうか?
■「TOEIC高スコア=十分な英会話力」ではない現実
TOEICスコアが高い人が、実践で英語を使えるわけではありません。
私の周囲にもTOEIC900点以上を保有しているのに、英語をスムーズに話せない人は結構な割合でいますし、逆にTOEICは600点台でも、日常英会話やビジネス英会話を問題なく話せる人もたくさんいます。
つまり「TOEICスコア」と「実際に英語が使えるかどうか」は、イコールではない。
TOEIC高得点を取っていなくても「英語を話す実践力」があれば海外駐在は十分務まります。
■それでも海外勤務を目指すならTOEIC高スコアを取っておくべき理由
TOEICスコアがなくても海外駐在は務まりますが、それでも、海外駐在を目指すならTOEICで高スコアを取得しておくことを強くおすすめします。
理由は3つです。
- 海外駐在員を選ぶ際にTOEICが指標になることがあるから
- TOEIC高スコアは海外駐在以外(転職や昇進)でも役立つから
- TOEIC学習の過程でベーススキルを身につけられるから
特に「1. 海外駐在員を選ぶ際にTOEICが指標になることがあるから」は、海外駐在に直結するので重要。次のTOEIC公式の調査結果をご覧ください。(右側のグラフ)
出典:海外出張や赴任の基準 | 国際ビジネスコミュニケーション協会
よって、十分なTOEICスコアを取っていない限り、願えど願えど、いつまで経っても駐在員にはなれないのです。実際、私が所属する(海外駐在予備軍である)海外事業部の全メンバーがTOEICスコアを保有。私のスコアは865点ですが、900点以上の高スコア保有者も多く在籍しています。
よって、TOEICスコアが駐在員に選ばれる指標になり得る以上、TOEIC高スコアをを取っておいた方が駐在員になりやすいというのは事実。
TOEIC® Programを運営する一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)によると、下記のように「海外部門の社員に期待するTOEIC L&Rスコア」として、570~810点が示されています。
出典:海外出張や赴任の基準 | 国際ビジネスコミュニケーション協会
しかし、海外駐在という現地スタッフとのコミュニケーションが多い業務を考えると、ボトムの570点は低すぎるため、限りなく810点に近いスコアが期待されます。
■英会話力の重要性
実践で使える英語力が重要という話はしましたが、特に「英会話力」は必須。
英文でのEメールを読んだり返信する場合は、電子辞書を使ったりGoogle翻訳を使ったり、十分な時間をかけることができます。
実際の海外駐在員としての実務を考えると、ビジネスレベルの英会話力はやはり必要。
今の会社でしっかりと実績を残す
すでに会社員であるなら、現職でしっかりと実績を残すことは大切。
そりゃそうです、今まで実績を残せない人が、転職して急にハイパフォーマンスに変わるなんて誰も思いませんから。
転職エージェント・転職サイトに登録し情報収集
転職エージェントと面談することにより自分の今の市場価値もつかめ、転職活動を効率的に進めることが出来ます。
まとめ
正しい方法で戦略的に準備すれば海外駐在は実現できます。
・「新卒で日系大手グローバル企業へ就職」は配属ガチャ。
・ベンチャーや外資系企業の日本法人はNG。
・海外駐在員になるために今からすべきこと
① 英語学習(TOEICと英会話)
② 今の会社でしっかりと実績を残す
③ 転職エージェント・転職サイトに登録し情報収集
海外駐在員は非常に恵まれています。
仕事はもちろん大変ですがそれ以上の待遇を手に入れることが可能。海外での貴重な経験が積めると同時に十分に貯蓄できます。もし、あなたにお子さんがいるなら、教育環境上もメリットは大きいです。(特に国際感覚や多様性の理解について)
日本は人口減少とともに国内市場は縮小していき、多くの企業は海外に活路を見出すしかありません。
海外駐在員になることが容易とは言いませんが、チャレンジする価値は十分にあります。
断言できます。
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