「FIRE(ファイア)」は知ってる。もちろん早期退職も知っている。
でも私が目指しているのは「FIRO」である。
それぞれの違いは次のとおり。
- 早期退職: 退職後は退職金と将来受け取る公的年金や貯金などを元手に、少しずつ切り崩しながら生活していく。
- FIRE:「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもので、「経済的自立、早期退職」を意味する言葉。毎年の生活費を資産運用によってまかなうことで、仕事や会社に依存することなく経済的に自立した状態で、リタイヤすることを指す。
- FIRO:「Financial Independence, Retire Optional」とは、「経済的自由、選択的退職」のことを指す。つまり、「本業はあるが、いつでも退職できる」という選択肢を常に持つことを目指すライフスタイル。
いい大学に入って、いい大企業に入れば安泰なんて時代はとっくに終了。転職や副業が当たり前の時代である。「終身雇用なんてさっさとぶっ壊れてしまえばいい」と少し乱暴な考えでやってきた私には、まぁちょうどよい。
会社に頼るのではなく、自分の頭でしっかりキャリア形成を考え、転職や副業を組み合わせながら前に進んでいく。「FIRO」を意識すると人生は楽しくなりそう。
「転職」や「副業」をテーマにしたニュースやブログ記事をよく目にする。中には「転職と副業、どっちがおすすめ?」なんて副業と転職の比較もあるが、転職と副業は比べるものではない。
そうすれば「FIRO」が見えてくる。
それでは実体験をベースに、この思考回路をご紹介しよう。
本業・転職・副業 の関係
本業(今のメイン仕事)と 転職 と 副業の関係性についての解説。
どのような順序で考えるべきか、その流れに沿って書いていくので、あなたの現状と照らし合わせながら読み進めてほしい。
✓一方で、副業の所得に天井はない。ただし稼げる保証もない。また副業はプライベートの時間を削ることになるため、働く時間を増やさずに給料を上げるには転職が有利。※副業は時間切売り系ではないブログ運営などをイメージ → つまり許容できる時間やリスクによって、転職と副業どちらが正解かは変わってきます。
まずは今の会社で働きながら副業
今、日本企業で働いていて、転職・副業・起業・フリーランスへの転身などが頭にチラついている場合、まずは(スタート地点として)今の職場の恩恵を120%に享受することを意識しよう。
なんだかんだ言って日本のサラリーマンは恵まれている。特に大企業。
例え仕事のパフォーマンスが悪くても、基本的に決まった日に決まった額があなたの給与口座に振り込まれる。 これは生活するうえでこの上ない安心感となる。守るべき家庭があればなおさら。
お給料だけでなく、有給休暇、研修制度、各種手当、福利厚生などもあり、有り難い環境で働けていることに感謝すべきである。
まずは 足るを知る。
ただし、絶対に妥協してはいけないことが一つだけある。
「時間」である。
どんなに高度なミッションであっても、ストレスフルな職場環境であっても、就業時間内であれば精一杯頑張るべき。
しかし、あなたの自由な「時間」まで奪われるようであれば話が違ってくる。あなたが働いている会社が残業や休日出勤を強要するようなブラック企業であれば、早急に脱出するべき。
なぜならば、その「時間」は、次のステップへの貴重な「準備の時間」だから、である。
時間は有限。そして 誰にでも平等に与えられた貴重なリソース。
この大切な時間を必要以上に奪われるような職場であれば、あなたは、もっとその損失に敏感になるべきである。

残業が多い場合は、転職で残業減らしてからの副業
副業を始めるには、まずは時間を確保できることが前提となるため、今の会社でどう考えても残業沼から抜け出せないのであれば、選択肢の一つとして転職を考えるべき。
注意点としては、転職先企業の選び方(重視する点)として、給与額を過度に気にしないこと。
なぜ転職するのか?
副業にあてる自由な時間を確保するため。
「残業が少ないか?」「残業が多い部門への異動の可能性はないか?」「リモートワークは可能か?」「有給休暇は取得しやすいか?」そういったポイントがキーになる。
転職に関しては下記をご参照を。

ただし、いくら時間を確保するために転職するといっても、やはり転職にリスクはつきもの。
よって、まず転職を実行する前に、今の会社でなんとか残業沼から脱出できないか、なんとか副業の時間が作れないかを考えるべきである。例えば 残業が少ない部門への異動が実現できそうかどうかなど。「自由な時間を確保する」という一点を重視して今の会社を見ると、これまでと違った景色が見えるかもしれない。
また、転職活動には時間も体力も必要。
新しい会社に行けばゼロから人間関係を築くことになり、新たに覚えることも大量。私の直近の転職は41歳の時だったが、「覚える量」に対する「私の記憶力」の頼りないことこの上なし。
そう、転職自体もまた貴重な「時間」を費やす行為なのである。
もし今の会社で改善することができれば、転職活動の時間を副業育成の時間にまわすことができ、より生産的。
本業での給与アップは期待せず、副業を育てる
日本を代表する企業「トヨタ自動車」の豊田社長が以前『これ以上終身雇用を続けるのは難しくなった』と発言し話題になった。トヨタほどの企業でもそのような状況であれば、地方の中小企業は…。いや都市部の大企業さえも危うい。
長年日本の働き方の象徴であった『終身雇用』と『年功序列』の崩壊は既に始まっている。
これから先は、今までと同じように働いても定年退職まで将来が保証されているわけでもなく、年齢と共に給料が上がっていくわけでもない。能力に応じた選別が行われ「勝ち組」と「負け組」の格差がどんどん広がっていく、そんな社会である。
しかし、「会社での負け組」が「人生での負け組」かというと、そうではない。 むしろ「会社での負け組」が長い人生においては勝者となることが意外に多いのではないか?
人生100年時代。 会社人生なんてその一部でしかない。
そんな中で副業は重要な役割を果たす。むしろ、副業(≒自分で稼ぐ力)なしでの人生100年時代は無理ではないだろうか。年金もカスカスよ。
でも「時間」だけはどんなに世知辛い時代においても公平で平等。今も昔もこれからも。
頼りない会社の昇給に期待するよりも、公平な「時間」を使って副業を育て、自分で稼ぐ手法を確立する方が、よほど安定性の高い人生戦略に思える。
実際、厚生労働省の調査によると全体の9.7%の人が副業している。これは結構高い割合ではないだろうか?正社員ですら5.9%が副業。あなたの知らないところで既に行動している人たちは確実にいてる。
第132回 労働政策審議会安全衛生分科会(令和2年8月19日)
「副業・兼業に係る実態把握の内容等について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000660780.pdf
ただし、巷の副業に関する記事を読んで盛り上がり、イケそうだと安易な確信を持って早々に会社員を辞めるのは絶対NG。安定収入のあるサラリーマン時代に、その恩恵を最大限に享受しながら、ひっそりと副業の実験を繰り返し、育てる。これが正解です。
何が自分にフィットしているのか、そして何が市場ニーズと合致するのかは、すぐに分からないことが多いはず。トライ&エラーを繰り返し、少しずつ「稼げる副業のスタイル」を形作っていくべきである。
会社を辞め背水の陣で新たなことに取り組むと、焦りが生まれ、失敗する確率が高まるだろう。(会社辞めたらそもそも「副業」じゃないのか…。まぁいいや)

副業収入が本業収入を超え始めたら、FIROを意識!
とりあえずは会社員でいるメリットは多いので、今は 『本業(安定収入)× 副業(自分で稼ぐ力の育成)』 が賢明な働き方だと思う。
本業で安定した生活の基盤を築きつつ、それ以上の収入は副業で稼ぐ。
もし、もしも、副業収入が本業の収入を超え始めたら、FIROを意識していい段階である。
今の20代は、大学卒業時から「ノマドワーカー」等の言葉に触れ、そういった自由な働き方の形を認識した上で今の仕事を選んでいると思うが、40代の私はそんな働き方があることも知らず、当たり前のように会社で働いてきた。定年退職前に会社員を卒業し、自分の力で稼ぎながら残りの人生を楽しむというのは夢のようなシナリオだが、チャレンジする価値はあると思っている。
ちなみに私の副業はこの「moric blog」のアフィリエイト収益である。
これからの時代は、本業を安定収入という目的で利用して、自分のやりたいことを副業という形で両立していくこと が、会社員として充実した生き方なのかもしれない。
会社に利用されるのではなく、会社を利用するのだ。
「副業力」で選択肢が広がる
ある程度稼げる「副業力」が身につくと、会社への依存度が下がる。そして次の効果が生まれる。
- あなたの人生の選択肢が広がる(会社での昇給が全てではなくなる)
- 肩の力を抜いて本業に取組める(会社への依存度が低下するから)
- 本業とは異なる知識・スキルが身につく(本業にも還元できる)
副業のデメリット
しかし、副業のデメリットについても理解しておくべき。
副業のデメリット
- 副業で稼ぐには時間が必要(特にブログ運営…)
- 本業と合わせると長時間労働になる(健康面ケア必須)
- 自分のプライベート時間が減る(タイムマネジメント)
- 確定申告などの手間がかかる(忍耐)
これらのデメリットに耐えられる場合、今日からでも副業を育てる行動を開始することをオススメする。早ければ早いほど副業の恩恵を大きく享受できる。
まとめ: 転職・副業どっち?
今回は「転職と副業は、組み合わせながら最大の効果を追求するのが正解!」という考え方をご紹介した。
② ブラック企業で残業沼にどっぷりの場合は、転職して、残業減らして副業開始
③ 本業での給与アップは期待せず、副業を育てる
④ 副業収入が本業収入を超え始めたら「FIRO」を意識
行動しないと何も変えることはできない…。
そして、今日はあなたの残りの人生の「最初の日」。
一緒に頑張って、自分らしい生き方を手に入れてほしい。

今日はここまで。
では!
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