「英語が苦手だから」「失敗したら怖いから」と、海外出張を避けていないだろうか?
実は、海外出張ほど“成長とチャンス”が詰まった経験はない。この記事ではオーストラリア・シドニーで働く筆者が英語力に不安があっても積極的に海外出張に出て経験値を高める意義を解説する。
私は旅行会社やメーカーの海外事業部で働いてきた関係で海外出張が多い人生でだった。(現在はシドニーに移住)
海外出張に行くたびに思ったのは
ということ。
それは、現地スタッフと交流することによる人生観への影響だったり、働き方についての疑問だったり、英語の有用性だったり、色々。
会社のマネーで色んな国で色んな経験をできるなんて、あぁ幸せ。
今回はそういった海外出張で得た ” 気づき “ をまとめていきたいと思う。
ちなみに、海外出張の際のスーツケースは毎回「機内持ち込みサイズ」である。
どんなに長期間の出張だったとしても。
その理由やコツを知りたい方は次の記事をご参照くだされ。
2021年12月 ハンガリー出張
2021年12月の出張でしたので、まだロシアのウクライナへの侵攻は始まっておらず、気にすべきはコロナ感染のみという状況。
新型コロナウイルス
ハンガリーの首都、ブダペストはヨーロッパの人々にとって人気の観光地。当時も多くの旅行者がいた。日本はまだ全員マスクして、飲み会も自粛という暗黒の時期。しかし現地ではマスク無し、飲み会OKで、既にノーマルモードよ。
日本出国前、ワクチン接種証明書を発行してもらうため自治体の窓口で手続きした際も、担当してくれた若い男性スタッフから「この時期に海外出張なんて大変すね…」と苦笑いされる始末。確かにコロナ前の海外渡航と比べ、準備しなければならない書類や手続きが多く、出発前に既に消耗…。
そして運の悪いことに現地滞在中のオミクロン株が出現。帰りの手続き(特に帰国時の羽田空港での手続き)が非常に複雑で空港内もピリピリした異様な雰囲気だった。
ともあれ無事に帰国でき、二週間の自宅隔離をわりとエンジョイできた。2週間も自宅から出られないのに家で仕事できるITインフラって素晴らしい。コロナ前は考えられなかった。
仕事と生活の距離感(ブダペスト)
ハンガリー(ブタペスト)の人々の働き方について。
今回はたまたまハンガリーだが欧米に共通した仕事への向き合い方である。
一言でいうと「 良好なワークライフバランス感 」または「 ”働く” と ”暮らす” の適切な距離感 」。
仕事には真摯に取り組むが、決して家庭を犠牲にはしない。 そんな感じだった。
一つ、強く記憶に残っている事がある。大したことではないが私にとっては印象深い出来事だった。
今回の出張では、ハンガリー国内のいくつかのエリアをチャーターしたミニバンで回って打合せしたたが、そのコーディネーター的な役割をしてくれたハンガリー人男性がいた(おそらく30代後半、イケメン)。彼の印象は、温厚な性格で、頭の回転が速いナイスガイ。
宿泊しているホテル前に移動用のミニバンが停められドライバーが郊外への視察の出発を待っているのだが、その横に電動キックボードを手にしたそのコーディネーターのナイスガイがいた。「えっ、それで行くの!?」との私の冗談交じりの質問に対して、「今日の最終目的地から僕の家は近いからね、そこからこれで帰るんだよ」と彼は答えた。
なるほど、合理的ね。
その考え方も好きですが、彼の話し方もとても自然体。
日本からの出張者に色々と配慮しながらも、自分のスタンスを崩さないバランス感覚。
私は好感を覚えた。
帰国後、継続的にWebミーティングを行ったが、ある時はお子さんを幼稚園に送った直後で車の中からの参加とかもあった。
スマホさえあれば、どこからでもミーティングに参加できる素晴らしい時代。
日本のビジネスシーンでよく見かける過度な配慮なんて不要。
日本の会社員も彼のような言動が自然にできるようになれば、そして、社会がそれを自然と思えるようになれば、ストレスの総和が縮小され、もっとリラックスした社会になっていくんだろうな、と思ったり。
まとめ
ブダペストは美しい街だった。 ※今回の写真は全てハンガリーの首都ブダペストの街並み
ウクライナと国境を接していてロシアのウクライナ侵攻後は難民も受け入れていたし、実生活の中でも環境変化があったかもしれない。
しかし、ドナウ川と歴史ある街並みのコントラストは人々を魅了し続けるはず。
日本人がヨーロッパに旅行に行くと言って、その目的地がハンガリーというケースは少ないと思うが、おすすめできる国だ。
食事も美味しい。
2022年10月 オーストラリア出張
久しぶりに海外出張に行ってきたので今回は「英語学習者の視点」で振り返ってみたいと思う。出張先はオーストラリア。
オーストラリアは南半球なので日本と季節が逆。9月下旬でまだまだ暑い日本から、冬おわりかけのオーストラリアへの渡航ということで、どんな服をもってくべきかマジでピンとこなかった。
実際に現地に入ると、これまたダウンジャケット着てる人と短パン&半袖が共存共栄していて、最後まで服装の正解が分からないままでの帰国となった。( なぜ欧米人は肌寒い日でも短パン&半袖でいけるのか謎 )
準備にて
出張前は仕事が忙しく、フライト、ホテル、ビザやワクチン系手続き以外は、あまり下調べする時間がなかった。時間がないというより「現地で聞けばよい」というゆるい考えで、テキトーに準備してGOである。
英語でコミュニケーションできるというのは、海外出張や海外旅行のハードルをグッと下げてくれる。リアルでフレッシュな情報を現地の人から直接入手できるということは、精神的安定にもつながる。
ちなみに今回の出張で現地入りしてから「あーっ!忘れたー!」ていうのが一つあった。それは爪を切ってくること。
ホテルでフロントに爪切りを貸してほしいとお願いしたが「それ無い」てそっけなく言われた。
爪は切ってから渡航しよう。
ホテルにて
今回、ホテルでの受付スタッフとのコミュニケーションは次のような感じだった。
- (朝早くに着いたので)チェックインまでスーツケースを預かって欲しい。
- 早めに部屋の準備ができたら、携帯に連絡してほしい。
- 近くのおすすめカフェを教えてほしい。
- (チェックイン後、部屋にドライヤーがなかったので)ドライヤーを持ってきて欲しい。
- (使用済みっぽかったので)毛布を交換してほしい。
- バスタオルをもう一枚持ってきてほしい。
- 爪切りを貸してほしい。⇒ 残念ながら無いとのこと。
現地スタッフとの打合せや工場視察
日本本社にいては見えないことが、現地に入りローカル社員と話すことで理解できるケースは本当に多いなぁ、と今回も実感した。
そして信頼関係を築く上でも、Face to Faceで英語で会話できることは大切。
お互いの考えを共有し合うことで帰国後のコミュニケーションもスムーズにいく。
今回、一部の旅程は東京本社の重役と行動を共にしたため通訳が入る打合せもあったが、やはり英語でダイレクトにコミュニケーションを取る打合せの方が、協議のリズムが良く、話がポンポンと進んでいく印象。
また、意外に重要だなと感じたのは打合せの中でのジョーク。
オーストラリ人のお偉いさんがジョークを連発するわけだが、この意味が分かるのと分からないのでは、その場の雰囲気や打合せの進行具合にすら影響が出ると感じた。
オーストラリアンジョークには、渾身のジャパニーズリアクションで対応するのが礼儀。
仕事以外(メルボルン)
- Googleマップがあれば基本迷わず目的地に着けるが、少しでも自信がない場合はあえて現地の人に道を聞く。道順以外にもプラスアルファの情報を得られるかもしれない。その界隈で開催中のイベントやおすすめショップなど。
- これはもう海外あるあるだが、メニュー表をよく理解せずにオーダーすると、激辛のでかい肉や、甘い巨大スイーツが出てきたりする。20代の頃ニュージーランドでデカいパフェ付きのハンバーガーセットを注文したら、どういう訳かもう1つデカいパフェが付いてきて焦ったが、全部食べた。もちろん下痢よ。懐かしい思い出だ。今回の出張では食事系ハプニングはなかったが、ただただ物価が高い。ざっくり日本の2倍~3倍といったところである。
- 海外に行くとまあまあ出くわす「昼間から酒飲んでシャウトしてるおっさん」。絶対に絡まれてはいけないタイプのおっさん。でも、そのおっさんが放っている訳の分からんシャウトも英語。少し集中して聞いてみると、今回のシャウト内容は、どうやらオーストラリアの新政権に対する不平不満で、税金やら移民政策についてだった。シャウトの内容が分かると恐怖心は軽減する。(でも目合わせてはダメ)
まとめ
Face to Faceで英語でコミュニケーションを取った現地スタッフとは、信頼関係が向上し、帰国後の打合せが非常にスムーズに進む。
いくらインターネットが発展しオンライン会議でなんでも議論できるといっても、リアルな空間を共有しながら議論を交わすことの意義は大きい。
日本人はよく「空気を読む」と言うが、それは相手が外国人も同じでその場の雰囲気を感じながらのトークはオンラインの画面越しでのやり取りとは別物。言葉以上のことを理解し合うことができる。
オンラインとオフラインにはそれぞれメリット・デメリットがあるので、今後はその使い分けスキルが求められるはず。ケーススタディでノウハウを蓄積していくしかない。
英語はグローバル言語。習得して損はないスキルである。
現地企業で働きながら日々英語と格闘中
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