40代は転職活動もしんどいですが、転職成功後も苦労が絶えない。
私が41歳の時に決意した4回目の転職(2021年8月)は、異業種×異職種への転職。未経験の業界への転職ということで、新しく学ぶ事も多く正直しんどかった。
40代での転職は、20代や30代とは違う苦労がある。プライドも邪魔する。「この選択、間違ってたのかな」と不安になる日々…。もう頭頂部からハゲてしまいそうな日々。
しかし結論から言うと、全部乗り越えられる。
キーワードは「客観的視点」である。
いかに客観的にその新しい環境や、そして自分自身を見つめることが出来るか。
これは40年以上生きてきた人間の強み。若い時にはどうしても主観的に見ていた景色が、年と経験を重ねるごとに冷静に客観的に見ることが出来るようになっているはず。40代をなめるなよ。
今回は私の実体験をベースに40代の転職後について、「後悔しないために知っておきたい3つの現実」と、その対処法について解説する。転職するかどうか、また転職後の現状に悩んでいるあなたのお役に立てればうれしく思う。
40代での転職後に苦労する3つの現実
企業文化とお作法に馴染めない
長年勤めた会社を出て、他の会社に転職した場合、企業文化の違いを肌で感じることになる。
私の41歳での転職は、業界は違えど、日系企業から日系企業への転職。それほど大きな違いはないと想定していたが甘かった。
蓋を開けてみると、カルチャーギャップの嵐。社員特性も別物。そして社内での”お作法”が多く、すぐには馴染めない。
例えばある案件で取締役会にて決裁を取る場合、どの順番でどの部署の誰に説明して、オブザーバーとして誰が必要で、説明資料はこの様式にまとめて、等々。とにかく慣習的プロセスが多く、時間を奪われる。これまじストレス。
対処法としては、もう「こんなものなんだ」と割り切って慣れるしかない。(対処法でもなんでもないやん!ただの心構えやん!でも重要)
- 郷に入っては郷に従えの精神。
- そして深く考えない。
想像力の限界
当時は新型コロナウイルスの影響を受け、とにかく現場に行けなかった。
仕事柄、月次の予算管理やら四半期での社内説明を行うのだがが、現場で実物を見ていないので、数少ない情報を組み合わせて、想像して話すしかない。私は100%想像の世界で生きていた。
しかし、内容が複雑になれば、その想像力に限界が訪れる。
20代や30代と違い、40代ともなると、即戦力としてそれなりのパフォーマンスが求められる。「まだ見たことない。知らない。」は通用しない。会議の場では致命傷を負わない程度に知ったかぶりをかます。そんな脇汗びしゃーの日々。
しかし、不思議とそれが出来る。
役員からの質問が重要で本質的なものか、それとも明日には忘れてしまうその場限りの興味本位の質問か、など、業界や会社は違えど、何となく感じ取ることができる。
なぜか?
そえは40代のおっさんだからだ。
数々の修羅場を潜り抜けてきた、白髪交じりのおっさんだからだ。
おっさんをなめてはいけない。
40代は瞬時にリスク計算ができるし、演技だってできる。
そう、想像力の限界はこれまで培った経験と勘で切り抜けるのである。
社内での人脈がない
シンプルに、社内の誰が何をやっているか、分からない。 いったい誰が、どんな情報やスキルをもっているかが分からない。
トイレで鼻毛抜いてた小柄な初老が偉い役員だったりする。
問題が発生した時に誰に相談すべきか「勘所(かんどころ)」がないことは、わりとストレス。まず誰に相談すれば解決に繋がりそうか、その「誰」に該当する人を探すことから毎回始まる。
対処法はコレ。自分の所属する部署界隈で社内で顔が広い同僚とめちゃ仲良しになること。そして基本的にまずは何でもその人に聞く。ほぼ弟子入り状態。
私の場合の師匠は年下の女性社員だったが年齢なんて関係ない。こっちは赤子同然に社内のことが分からないのだから。
重要なのは肩の力を抜いて素直に教えを乞う姿勢。
そう、「素直さ」や「謙虚さ」は40代の転職の成否を左右する重要な要素!
40歳を超えると、どうしてもプライドが邪魔して素直になれないシーンが出てくる。確かに全くプライドがない40代も心配だが…
私は過去の経験やノウハウをひけらかすことはしない。聞かれた場合のみ、詳細に答えるようにしています。 転職後すぐに激しめのアウトプットをすると、空回りして煙たがられるから。
自分は新しい会社の同僚からどう見られているのか、客観的に分析し、それに応じた言動をすれば、摩擦が発生することはない。自分が思っている以上に「転職されてきたんだから分からなくて当然だよね」と思ってくれているケースも多い。
感性を研ぎ澄まして、空気を読み取り、状況を把握。
ちゃんと社会人経験を積んできた40代なら、きっとできる。
そうは言っても、やはり不安…、というあなたへ
当時はコロナ禍ということもあり、なかなか外で飲むことが出来ない時期が続いたが、一度だけ元職場のおじさんに連絡して鰻を食べに行った。私の転職後、半年後くらいのことだった。
私が相談したその先輩はキャリア採用で入社してきた50代手前のおじさん。鰻重を食べながら私が質問したのは、
転職してどのくらいで全体を把握して、仕事を円滑に進められるようなったのか?
その答えは「2年後」だった。
まじか。そして安堵。
そうか、やはりそれくらいの時間はかかるのか、焦る必要ないやん、である。
40代の転職は即戦力としてのパフォーマンスが期待されるが、すんなり馴染んで、すぐに円滑に物事を進められるはずもないのである。焦る必要はない。
前職のおじさんと話す機会があって本当に良かった。相談できる人や愚痴を聞いてもらえる人がいるというのは大切だなとつくづく実感。
とにかく、一人で悩まないことが大切。
まとめ
私の実体験をベースに40代の転職後について、「後悔しないために知っておきたい3つの現実」と、その対処法について紹介した。
① 企業文化とお作法に馴染めない
✓ 郷に入っては郷に従え
② 想像力の限界
✓ リスク計算と演技で乗り切る
③ 社内での人脈がない
✓ 社内で顔が広い同僚とめちゃ仲良しになる
✓「素直さ」や「謙虚さ」を忘れない
◆そうは言っても、やはり不安…、というあなたへ
✓ 転職して実力を発揮できるまでに時間がかかるのは普通、焦らない
✓ 上手くいかない時は一人で悩まない
転職は「運」や「縁」の要素が大きい。どんなに情報収集しても、真実はその会社の内部に入ってみないと分からない。だから転職には不安がつきもの。そこは20代も40代も同じ。
しかし、それを恐れて転職に踏み出せないのは危険。
これからもどんどん環境が変化し、未来は変わっていく。
それを考えれば、転職後の苦労なんて些細なこと。
長い目で見れば、環境変化への順応力を身に着けることの方が大切。
どんどん新しい世界に向けてチャレンジしていこう。
おじさんでも大丈夫!
今日はここまで。
では。

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