- 「ゆるブラック企業」って聞いたことあるけど、それ何?
- 「ブラック」で「ホワイト」でもない「ゆるブラック」って、どゆこと?
もし、今回ご紹介するブラック企業の特徴に当てはまるようであれば、あなたの会社も「ゆるブラック企業」かもしれない。
正直、危険。
「ゆるブラック企業」とは、労働環境が整っているが「やりがい」や「成長」を感じることができない企業を総称した造語。
誰にでもできるルーティンワークが多かったり、新しい取り組みが敬遠されるような企業で、ゆるブラック企業の社員の満足度は低い。
「楽だけど、成長できない」という自身のキャリアに対する不安、そして会社の存続への不安。

令和3年に厚生労働省が発表した「令和3年上半期雇用動向調査結果の概況(概況全体版P17)」によると、「転職入職者が前職を辞めた理由」を調査した結果は、収入、人間関係、労働条件に次いで「会社の将来が不安だった」が4位に入ってくる。これを20代に絞ると3位です。
今回は「ゆるブラック企業」の特徴やリスクを説明し、その上で、あなたが勤める会社が「ゆるブラック企業」に該当しそうな場合の対処法をご紹介する。
ゆるブラック企業とは
ゆるブラック企業は、ブラック企業やホワイト企業のどちらでもないという意味で「パープル企業」と呼ばれることもある。
「ゆるブラック企業(又はパープル企業)」は一言でいうと ” ぬるい会社 “ 。
ぬるま湯に浸かったような世界で過ごし続けると、スキルアップもキャリア形成も停滞する。
「楽だけれど、成長はできないし収入も上がらない」というのがゆるブラック企業の最大の特徴。
その実態について見ていこう。
残業がない

基本的に残業なし。毎日定時に退社することができる。
そして仕事自体の質も量も、キツくはなく、楽。
しかし、楽である代わりに昇給が少ないのが特徴。昇給があるから長く勤めることや出世することに意味がある会社員だが、昇給しないとなるとモチベーションは上がりにくい。
結果、ゆるブラック企業では「ダラダラなんとなく働く人たち」が増殖する。
単純作業の繰り返し

ゆるブラック企業では、マニュアル通りの業務を繰り返すような仕事が多く、楽。
しかし、働きがいを感じることは難しい。楽な単純作業を繰り返していると、人間は深く考えることを止めてしまう。
それでも、決まったタイミングでお給料が振り込まれるため、生活に困ることはない。
だんだんと居心地が良くなり、変化を避け、その環境に居座ってしまいがち。(だって人間だもの)
離職率が低い

業務内容がキツくなく、職場の雰囲気も悪くないので離職率が低いのも、ゆるブラック企業の特徴の一つ。
毎日同じ作業を繰り返せば、毎月のお給料が口座に振り込まれる。安定感もあり、楽という理由で働き続ける人が多い。強い上昇志向がなければ特にやめる理由がないのである。
「離職率が低い」ことだけを切り取ると企業としては好印象で問題がないように感じられるが、離職率が低い理由を見ると、決して前向きな理由ではないことが分かる。
リスク
さて、上記のゆるブラック企業には様々なリスクが存在する。変化の激しい現代において致命的なリスクばかり…
残業は無いがスキルアップも無い(転職できない)

ゆるブラック企業の仕事は専門スキルが不要で、マニュアル通りに行えば誰でもできる単純作業がほとんどである。
スキルアップは期待できない。
身に付くスキルは特になく、実務経験として積み上がっていくものが皆無。
たとえ「ブラック企業」で長時間労働が辛かったとしても、スキルアップにつながれば転職活動で有利。ゆるブラック企業にはそれが無い。人生戦略において「転職」というカードを持てないことは、リスク以外の何ものでもない。
働きやすいが会社自体に将来性がない

企業の存在意義は社会に提供する「付加価値」である。ゆるブラック企業が生み出す「付加価値」はどうだろうか?環境変化に十分に対応できるだろうか?
ゆるブラック企業は法律や規制で守られながら生きているケースがほとんど。だから生き延びている。
その「法律や規制」というハシゴを外された瞬間に、市場原理の渦に飲み込まれていくことになる。ぬるま湯に浸かっていた人材が、急に野に放たれるわけだ。弱肉強食のサバンナには、ライオンやらチーターやら、弱々しい獲物を狙う捕食者がわんさかいて、そこで生き延びるのは至難の業。
時代に合った新たなる価値を提供し続けることができなければ、マーケットの中で淘汰されていくだけ。厳しいがそれが資本主義社会。
職を失う可能性(AIの台頭)

単純作業の繰り返しなのでアルバイト・パート、契約社員などの非正規雇用の従業員で賄えるケースもある。コスト削減のために、単純作業はAIやロボットに代替しているという企業も増えている。そしてその流れは今後も変わらない。
日本特有の雇用システム「終身雇用」は崩壊しつつあり、単純作業ばかりしている人は近い未来、職を失う可能性が高い。
対処法

今あなたが働いている会社が「ゆるブラック企業」に該当すると気づいてしまった場合の対処法をご紹介しよう。
ゆるブラック企業の特徴として、残業がないことに上記で触れた。
残業なしを最大限に利用することが対処法の根幹にある!
もし、研修制度やEラーニングの機会があれば積極的に活用してほしい。会社のインフラを無料で活用しながら、それでいて会社に頼らず、あなた自身であなたの成長をマネジメントするというマインドセットを作り上げていく。
それでは、具体的な取り組み事項をご紹介する。
とりあえずTOEIC860取得に全振り

TOEICのハイスコアは持っていて損のない資格である。世間一般に認知された資格であるため転職活動において、絶大なパワーを発揮してくれる。
このご時世、海外と取引のない企業のほうが少ない。その一方で相変わらず日本人は英語が苦手。AI通訳が完璧に人間のコミュニケーションを補完するのはもう少し未来の話。
つまり、需要と供給の間にまだ大きなギャップがある。
今後もなかなか埋まらないギャップ。
TOEICハイスコアがあれば、それだけで転職の際にライバルより頭ひとつ抜け出せる。
そして、ここで言う「ハイスコア」として私がオススメするのは「860点」である。
理由はシンプル。 ”コスパ最強” だから。

次に英会話

ある程度のTOEICスコアを取得した後、つぎに取組むべきは「英会話」!
TOEICはあくまで資格試験。前述のとおり転職活動においては大きな力を持って発揮するが、華麗なる転職に成功した後のことを考えると、TOEICハイスコアよりむしろ「英会話力」の方が必要である。
TOEICスコアが800点を超えてくると、ある程度の知識は蓄積された状態なので、英会話学習にシフトしても十分に対応出来る。
英会話はとにかく経験を積むしかないので学習開始が早ければ早いほど有利。

十分な英会話力があればかなり重宝され、転職活動を有利に進めることができる。
英語で外国人と円滑なコミュニケーションをとれる人材を多くの企業が欲している。日本企業の海外事業展開がどんどん進む中で、圧倒的なグローバル人材不足…
需要と供給のバランス
日本の人口減少で国内市場が縮小する中、この傾向は今後も変わらない。企業は海外に活路を見出すしかない状況である。
ウィークポイントに需要がある!そこをピンポイントで突いていくことが大切。
しかし、英語だけが出来てもあなたの市場価値はなかなか上がらないだろう。
ゆるブラック企業で身につけた数少ないスキルを英語と掛け合わせてほしい。「かけ算」で価値を創造していくのがポイント。

- マーケット分析による需要の見定め
- 英語力UP(TOEIC & 英会話)
- スキルの掛け算(既存スキル × 英語)で市場価値UP
もしコミュニケーション能力に自信がないなら…
英語の話をしたが、英語はコミュニケーションの道具にすぎない。
言語に関係なく、もともとコミュニケーション自体が苦手で自信がないというあなた、まずはしっかりとコミュニケーションスキルを高めることをオススメする。
ディスカッション、プレゼン、スピーチ、セールス、マネジメント。全てにおいてコミュニケーションスキルが必須。
どんな職場でも活用できるこのようなスキルは「ポータブルスキル」と呼ばれ、転職時にも高く評価される。(もちろん転職面接時にも威力を発揮!)
コミュニケーションスキルを高めるためにはプロの力を借りるしかない。範囲が広く自分自身では何をどうしていいか全く分からないからである。(問題点が分からないし、分かったところで改善策が分からない…)
そこでオススメなのは、実践形式のビジネススクール【コミュトレ】
多種多様なコースから自由に組み合わせて学べる。

同ビジネススキルスクールが配信する「新はたらき方戦略」というメディアは一見の価値あり。コミュニケーションスキルをどのように働き方やキャリア形成につなげていくか、多くのヒントが公開されている。

転職サイトに登録

別の切り口からの対処法として「転職サイトへの登録」をおすすめしたい。
すぐに転職する気がなくても、情報収集の観点から転職サイトに登録しておくことのメリットは絶大。
情報収集は全ての判断における第一歩である。
ただし、転職サイトや転職エージェントに飲み込まれてはいけない。それらサービスを上手く活用して、あなたの人生の方向性を固めるプロセスに貢献させるのだ。

まとめ

「ゆるブラック企業」の特徴、リスク、そして対処法についてご紹介した。
→ 残業がない/単純作業の繰り返し/離職率が低い
◆リスク
→ 残業は無いがスキルアップもできない(転職できない)
→ 働きやすいが会社自体に将来性がない
→ 職を失う可能性(AIの台頭)
◆打開策
→ TOEIC860へ全振り!からの英会話。
→ 転職サイトに登録
ところで、私の母親は郵便局員だった。職場は近いし残業は無いし、給料は良く安定。共働きの家庭での母親の仕事としてはベストだったと思う。たとえそれが今で言う「ゆるブラック」だとしても、全てひっくるめて受け入れたら合理的。
しかし、定年退職が間近になった頃、民営化で激変。
公務員として入社した時には、まさか将来民営化されるなんて思いもしなかっただろう。しかし環境変化とはそういったもの。私が働く旅行業界も同じ。新型コロナウイルスで世界がこんなにも変わってしまうなんて想像できなかった。
「ゆるブラック企業」に勤める最大のリスクはここにある。
想像を超える環境変化が起こった時に対応できない…。
「あれ、私の会社、ゆるブラック企業かも?」て思ったあなた、ぬるま湯に浸かっている毎日は終わり。行動することが大切!
今日はここまで。
現地企業で働きながら日々英語と格闘中



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